鋼材の重量計算の方法|断面積×長さ×密度で求める
鋼材の重量は、断面積 × 長さ × 密度の3つで決まります。 この記事では基本の式から、フラットバー・丸棒・パイプ・角パイプ・アングルといった形状別の計算手順、 材質別の密度早見表、実際の数値を入れた計算例までをまとめます。 亜鉛メッキの付着量や規格単重との差など、現場で見積もるときに引っかかりやすい点も補足します。
1. 基本の計算式
金属の重量は、断面積・長さ・密度(比重)から求めます。単位をmmとg/cm³でそろえると、 次の式で重量がkgで出ます。
重量(kg) = 断面積(mm²) × 長さ(mm) × 密度(g/cm³) × 0.000001
単重(kg/m) = 断面積(mm²) × 密度(g/cm³) × 0.001
購入重量(kg) = 製品重量 × (1 + 切断ロス%)
実務では、まず1mあたりの単重(kg/m)を出しておくのがコツです。 単重さえ出せば、あとは長さ(m)と本数を掛けるだけで総重量が出るので、 部材ごとの拾い出しや配送重量の確認がぐっと楽になります。
2. 材質別の密度(比重)早見表
密度は材質で決まります。一般的な鋼材(SS400など)は7.85を初期値にすれば、ほとんどのケースで使えます。
| 材質 | 密度 (g/cm³) | 備考 |
|---|---|---|
| 鉄・SS400・一般鋼材 | 7.85 | もっとも一般的。迷ったらこれ |
| ステンレス(SUS304系) | 7.93 | 鉄よりわずかに重い |
| アルミ(A5052など) | 2.70 | 鉄の約1/3の重さ |
| 銅 | 8.96 | — |
| 真鍮 | 8.50 | — |
材質や規格がはっきりしている場合は、ミルシートやメーカー資料の値に合わせて密度を入れ替えてください。
3. 形状別の断面積の出し方
重量計算でいちばん間違えやすいのが断面積です。形状ごとに整理します(寸法はmm)。
板材・フラットバー:断面積 = 幅 × 厚み
丸棒:断面積 = π × (直径 / 2)²
丸パイプ:断面積 = π × ((外径/2)² − (外径/2 − 肉厚)²)
角パイプ:断面積 = 外寸幅×外寸高 − (幅−2×肉厚)×(高−2×肉厚)
アングル:断面積 ≒ (辺A + 辺B − 厚み) × 厚み
アングルやチャンネルは角のR(丸み)を無視した近似なので、規格単重よりわずかに重めに出ます。 概算には十分ですが、正式見積もりは規格表を優先してください。
4. 計算例(実際の数値で)
例1:フラットバー FB-50×6、長さ4m、10本(SS400)
断面積 = 50 × 6 = 300 mm²
単重 = 300 × 7.85 × 0.001 = 2.355 kg/m
1本(4m) = 2.355 × 4 = 9.42 kg
10本 = 94.2 kg
例2:丸棒 φ16、長さ5.5m(SS400)
断面積 = π × 8² ≒ 201.1 mm²
単重 = 201.1 × 7.85 × 0.001 ≒ 1.578 kg/m
5.5m = 1.578 × 5.5 ≒ 8.68 kg
例3:角パイプ □50×50×2.3、長さ4m(SS400)
外断面 = 50 × 50 = 2500 mm²
内断面 = (50−4.6) × (50−4.6) = 45.4² ≒ 2061.2 mm²
断面積 = 2500 − 2061.2 = 438.8 mm²
単重 = 438.8 × 7.85 × 0.001 ≒ 3.44 kg/m
4m = 3.44 × 4 ≒ 13.78 kg
※ 規格の □50×2.3 は角Rがあるぶん単重 約3.34kg/m とやや軽く、近似計算は少し重めに出ます。
5. 現場で見積もるときの注意点
- 切断ロスを見込む:定尺(5.5m / 6m など)から切り出すと端材が出ます。 製品重量だけでなく、購入する定尺ベースの重量で材料費を見ておくと過不足が出にくくなります。 定尺からの取り数は端材取り(切断計算)で確認できます。
- 溶融亜鉛メッキの付着量:メッキをかけると表面積に応じて重くなります。 亜鉛メッキ後の重量や配送費を見込むなら、表面積 × 付着量(g/m²)を加算してください。
- 規格単重との差:アングル・チャンネル・角パイプは角Rやテーパーで、近似計算より実物が軽くなります。 正式見積もりはメーカー単重表・ミルシートを優先します。
- 配送・積載重量:総重量が出たら、パレット・梱包材・治具・ボルト類の重量を別に足してから荷姿を検討します。
形状と寸法を入れるだけで、単重・製品重量・メッキ付着量・材料費まで自動計算できます。
金属重量計算機を開く(無料)よくある質問
Q. 鋼材の重量はどうやって計算しますか?
A. 断面積(mm²) × 長さ(mm) × 密度(g/cm³) × 0.000001 で重量(kg)が求められます。まず形状から断面積を出し、1mあたりの単重(kg/m)にしてから長さと本数を掛けると、見積もりで確認しやすくなります。
Q. 単重(kg/m)とは何ですか?
A. 1mあたりの重量のことです。断面積(mm²) × 密度(g/cm³) × 0.001 で求めます。規格材のカタログに載っている単重も同じ考え方で、長さと本数を掛けるだけで総重量が出せます。
Q. 規格表の単重と計算した値が少し違うのはなぜですか?
A. アングル・チャンネル・角パイプは角のR(丸み)やテーパーがあり、矩形だけの近似計算より実物はやや軽くなるためです。正式な見積もりではメーカーの単重表やミルシートの値を優先してください。
Q. 溶融亜鉛メッキをすると重量はどれくらい増えますか?
A. 表面積 × 付着量で概算します。付着量550g/m²なら表面積1m²あたり0.55kgの加算です。実際は形状・孔あけ・液だまり・内面への回り込みで変わるため、初期確認の目安として使います。
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