555タイマー 計算機(発振周波数・パルス幅)
公開更新|書いている人:鉄鋼・金属加工の現場に28年。いまは製造現場の管理職です。
定番のNE555タイマーICの定数を計算します。非安定(発振)モードで周波数・デューティ比、単安定(ワンショット)モードでパルス幅を算出。入力は自動保存。
抵抗とコンデンサを入力
f = 1.44 ÷ ((R1 + 2·R2)·C)。デューティ比は (R1+R2)/(R1+2·R2)。
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非安定モード(発振回路)の計算式
R1(Ra), R2(Rb), コンデンサ C を使った標準的な発振回路では、出力の周波数とデューティ比は次式で決まります。
f = 1.44 ÷ ( (R1 + 2·R2) × C )
HIGH = 0.693×(R1+R2)×C / LOW = 0.693×R2×C
コンデンサは R1+R2 経由で充電、R2 経由で放電するため、HIGH時間がLOW時間より必ず長くなります。 そのため標準回路のデューティ比は50%を超えます。50%に近づけたいときは R1 を小さく、R2 を大きくします。
単安定モード(ワンショット)の計算式
トリガ(2番ピン)をLOWにすると、一定時間だけHIGHを出力して戻ります。そのパルス幅は次式です。
t = 1.1 × R × C
チャタリング除去、タイマー、トリガ遅延などに使います。 式に電源電圧が出てこないことからわかるように、パルス幅は電源電圧が変わってもほぼ変化しません。 555が内部の分圧抵抗で電源電圧の1/3と2/3をしきい値にしているため、電圧が上下しても充電時間の比が変わらないからです。 電池駆動で電圧が下がっていく用途でも時間がずれにくいのは、この構造のおかげです。
定数の選び方の目安
同じ周波数を出す組み合わせは無数にありますが、極端な値を選ぶと動作が不安定になります。 実用的にはおおむね次の範囲に収めます。
- 抵抗は1kΩ〜1MΩ程度:1kΩより小さいと放電時のピーク電流が大きくなり、ICの発熱と電源のノイズが増えます。 1MΩを超えると、ICの入力漏れ電流やコンデンサの絶縁抵抗が効いてきて時間がずれます。
- コンデンサは1nF〜100µF程度:容量が小さすぎると配線の浮遊容量が相対的に効きます。 大きい容量で電解コンデンサを使う場合は、漏れ電流と経年変化で時間が延びやすい点に注意してください。
- 長い時間が欲しいときは抵抗より容量を増やす:ただし電解コンデンサは誤差が±20%以上あるものも多く、時間精度は容量の精度で決まります。
計算どおりにならないときの確認点
- 5番ピン(CONT)が開放:ここは内部分圧点で、ノイズが乗るとしきい値が揺れて周期がばらつきます。0.01µF程度でGNDへ落とすのが定石です。
- 電源のパスコンがない:555は出力が切り替わる瞬間に大きな電流を引きます。電源とGNDの間に0.1µFを近くに入れないと、 自分が出したノイズで誤トリガして周期が乱れます。
- コンデンサの実容量:積層セラミックの高誘電率品は直流電圧をかけると容量が大幅に減ることがあります。時間が計算より短いときはこれを疑ってください。
- バイポーラ版とCMOS版の違い:NE555(バイポーラ)とLMC555などのCMOS版では、使える抵抗値の上限や消費電流、出力電流が違います。 上の式はどちらにも当てはまりますが、実用範囲は型番のデータシートで確認してください。
よくある質問
- デューティ比を50%(方形波)にできますか?
- 標準回路ではできません。コンデンサがR1+R2で充電されR2だけで放電するため、HIGH時間が必ずLOW時間より長くなります。R2に並列でダイオードを入れて充電経路と放電経路を分けると約50%にできます。本ツールは標準回路の値を表示します。
- 容量の単位はどれを入れればいいですか?
- 部品の表示に合わせて pF / nF / µF から選べます。0.01µF = 10nF = 10000pF です。セラミックコンデンサの「103」という表記は10×10³pF = 10nF を意味します。
- 電源電圧を変えると周波数は変わりますか?
- ほとんど変わりません。555は電源電圧の1/3と2/3を内部でしきい値にしているため、電圧が上下しても充放電にかかる時間の比が保たれます。電池駆動で電圧が下がる用途でも周期が安定するのはこのためです。
- 周期が計算値とずれます。
- まず5番ピン(CONT)を0.01µFでGNDへ落とし、電源に0.1µFのパスコンを入れてください。この2つが無いだけで周期はかなりばらつきます。それでもずれる場合は、コンデンサの実容量(電解は±20%以上、高誘電率セラミックは直流電圧で容量減)を疑ってください。
- 使える抵抗値・容量の範囲はどのくらいですか?
- 目安として抵抗は1kΩ〜1MΩ、コンデンサは1nF〜100µF程度です。抵抗が小さすぎると放電電流が大きくなりICが発熱し、大きすぎると漏れ電流の影響で時間がずれます。長い時間が欲しいときは抵抗より容量を増やすほうが安定します。