牛舎ソーカー必要ノズル数・ポンプ流量計算
散水する長さとノズル間隔から必要数を拾い、ゾーン分けと同時運転条件からポンプに必要な流量を概算します。
公開更新|書いている人:鉄鋼・金属加工の現場に28年。いまは製造現場の管理職です。
散水ラインとノズル
各列の両端から、おおむね半ピッチ内側に最初と最後のノズルを置く前提です。
1列あたり
20 個
30m ÷ 1.5m を切り上げ
必要ノズル数
40 個
20個 × 2列
ゾーン分けとポンプ余裕
ゾーンごとのノズル数は均等割りの概算です。実際の最大ゾーンに付くノズル数を満たすように確認してください。
1ゾーン最大
20 個
均等割り・端数切り上げ
同時運転ノズル
20 個
1ゾーン同時
運転時の合計流量
30 L/分
1.8 m³/時
必要ポンプ流量
36 L/分
2.16 m³/時(余裕込み)
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ノズル数とポンプ流量の計算式
必要ノズル数 = 1列のノズル数 × ライン数
必要ポンプ流量 = 同時運転ノズル数 × 1ノズル流量 ×(1 + 余裕率)
ノズルは両端から半ピッチ程度内側に置く想定です。端部にも必ずノズルを置く設計では、実際の配置図を優先して1列あたり1個追加してください。
ポンプは流量だけで選ばない
この計算が示すのは必要流量です。実際のポンプ選定では、ノズルが必要とする圧力に、配管長・口径・高低差・フィルター・電磁弁などの圧力損失を加えた全揚程で、必要流量を出せるかポンプ性能曲線を確認します。井戸や既設給水の供給能力も確認してください。
ゾーン分けの考え方
全ノズルを同時に開くと瞬間流量が大きくなります。散水ラインを複数ゾーンに分けて順番に運転すれば、必要ポンプ流量を抑えられます。ただし、各ゾーンの散水時間と切替周期が牛体を十分に濡らす設定になるか、送風との組み合わせも含めて確認してください。
注意点
ノズル間隔・取付高さ・流量・必要圧力はメーカー仕様を優先してください。フィルターの目詰まり、末端の圧力低下、乳房・飼料・通路への散水、床の滑り、排水能力にも注意が必要です。設計の順番は牛舎ソーカーの設計方法、ランニングコストはソーカー散水量・水道代計算で確認できます。
ノズルは「霧」ではなく「粗い水滴」を選ぶ
散水設備には大きく2つの方式があり、目的が違います。混同すると効果が出ません。
- ソーカー(低圧・粗い水滴):牛の背中を濡らして皮膚まで水を届けます。水滴が大きいため被毛を貫通し、体表から蒸発して熱を奪います。牛体に直接かける方式です。
- 細霧(高圧・微細な霧):空気中で蒸発させて気温そのものを下げます。牛を濡らすのが目的ではありません。 換気が不十分な牛舎で使うと湿度が上がり、かえって暑熱が悪化することがあります。
牛体を冷やす目的なら選ぶのはソーカー側です。細かい霧のノズルは被毛の表面で蒸発してしまい、 皮膚まで水が届かないため体温を下げる効果が出ません。ノズル選定では「粒径が大きく、低圧で必要流量が出るもの」が条件になります。
末端の流量不足が起きる仕組み
散水ラインは、同じ配管に複数のノズルをぶら下げる構成になります。 水が流れると配管内で圧力が下がっていくため、手前のノズルより末端のノズルのほうが圧力が低く、流量も少なくなります。 設計上は全ノズル同じ流量のつもりでも、実際には手前ばかり出て末端がほとんど出ない、という状態になりがちです。
対策としては次のような方法があります。
- 配管を1サイズ太くする:流速が下がり圧力損失が減ります。もっとも確実です
- ゾーンを分ける:1系統あたりのノズル数を減らせば、同時流量も圧力損失も下がります
- 両端給水にする:ラインの両側から供給すると、実質の配管長が半分になります
- 末端から順に確認する:試運転では必ず末端のノズルの出方を見てください。手前だけ見ても異常に気付けません
同時に開くノズル数でポンプが決まる
必要ポンプ流量を決めるのは設置した総ノズル数ではなく、同時に開くノズル数です。 全ラインを一斉に開く制御にすると瞬間流量が最大になり、その値でポンプと配管を選ばなければなりません。
散水ラインを複数ゾーンに分けて順番に運転すれば、必要流量はゾーン数で割った値まで下がり、 ポンプも配管も小さく収まります。ソーカーは間欠運転が前提なので、 休止時間を利用して他のゾーンへ散水すれば、設備を小さくしたまま全体の散水間隔を保てます。 ただし各ゾーンの散水時間が短くなりすぎて牛体が十分に濡れない設定にならないよう、 1周にかかる時間と1回の散水秒数を合わせて確認してください。
よくある質問
- 細霧ノズルをソーカーに使ってもよいですか?
- 目的が違うため向きません。細霧は空気中で蒸発させて気温を下げる方式で、水滴が細かいため被毛の表面で蒸発してしまい皮膚まで届きません。牛体を濡らして冷やすソーカーには、粒径が大きく低圧で必要流量が出るノズルを選んでください。
- 必要流量が出ればポンプはそれで選べますか?
- 流量だけでは決まりません。ノズルが必要とする圧力に、配管長・口径・高低差・フィルター・電磁弁などの圧力損失を加えた全揚程で、その流量を出せるかをポンプの性能曲線で確認します。井戸や既設給水の供給能力も併せて確認が必要です。
- 末端のノズルの出が悪いのはなぜですか?
- 配管内の圧力損失で、末端ほど圧力が下がるためです。配管を1サイズ太くする、ゾーンを分けて1系統あたりのノズル数を減らす、両端から給水する、といった対策があります。試運転では必ず末端のノズルの出方を確認してください。
- ゾーン分けをすると効果は落ちませんか?
- 散水間隔と1回の散水時間が適切なら落ちません。ソーカーはもともと間欠運転が前提で、休止時間中に他ゾーンへ散水すれば設備を小さくしたまま全体の間隔を保てます。ただし1周が長くなりすぎたり、1回の散水秒数が短くなりすぎたりすると牛体が十分に濡れなくなります。
- ノズルの取付高さと間隔はどう決めますか?
- メーカーの仕様を優先してください。散布パターンは高さで大きく変わり、低すぎると散布幅が足りず、高すぎると水滴が飛散して牛体に届きません。飼槽側から牛の背中に当たり、乳房や飼料にかからない位置と角度に調整します。