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電線サイズ・電圧降下計算機

公開更新|書いている人:鉄鋼・金属加工の現場に28年。いまは製造現場の管理職です。

電圧・電流・片道長さ・電線サイズから、電圧降下、降下率、末端電圧、損失Wを計算します。 DC、単相2線、三相3線に対応し、目標降下率を満たす候補sqも確認できます。

簡略式や許容降下率の目安、計算例は電圧降下の計算方法で解説しています。

回路条件

長さは片道距離です。DC/単相は往復2本分、三相は√3倍で電圧降下を概算します。

電線サイズ

sqは導体断面積mm²の慣用表記です。候補サイズは電圧降下だけで選び、許容電流は別途確認してください。

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電圧降下とは

電線には抵抗があるため、電流が流れると電線の途中で電圧が下がります。距離が長い、電流が大きい、電線が細いほど電圧降下は大きくなります。 LEDテープ、DC電源、太陽光、インバータ、単相100V、三相200Vの長距離配線では、負荷側の電圧不足や発熱の原因になります。

計算式

このツールでは、導体抵抗を抵抗率から求め、抵抗成分のみで電圧降下を概算します。長さは片道距離を入力します。

導体抵抗 R = 抵抗率ρ × 長さL ÷ 断面積A

DC・単相2線: 電圧降下 = 2 × 電流I × R

三相3線: 電圧降下 = √3 × 電流I × R

電圧降下率 = 電圧降下 ÷ 電源電圧 × 100

銅線の抵抗率は20℃で0.017241 Ω・mm²/m、アルミ線は0.028264 Ω・mm²/mを初期値にしています。 温度が上がると抵抗も増えるため、温度係数で補正しています。

sqとmm²の意味

sqは導体断面積mm²の慣用表記です。2sqなら断面積2mm²、5.5sqなら5.5mm²です。 電圧降下は断面積にほぼ反比例するため、同じ長さ・電流なら、太い電線ほど降下率は小さくなります。

このツールで分かること・分からないこと

  • 分かる:指定した電線サイズでの電圧降下、末端電圧、損失W、目標降下率を満たす候補サイズ。
  • 分からない:許容電流、温度上昇、ブレーカー選定、配線方法ごとの安全性、法規適合。

実際の工事や設備配線では、ケーブル種類、周囲温度、束ね配線、管内配線、保護装置、施工条件で許容電流が変わります。 このツールは電圧降下の概算用として使い、安全性の最終判断は電気工事士・電気主任技術者など有資格者の確認を優先してください。

どこまでの降下率なら許されるか

一般的な目安として、電気設備の設計では標準電圧に対して2%以内に収めることが多く、 こう長が長い場合でも合計で3〜6%程度までを上限とする考え方が使われます。 低圧の直流機器では、電源装置の入力電圧範囲そのものが判断基準になります。

降下率が効いてくるのは電圧が低い系統です。同じ1Vの降下でも、200V系なら0.5%ですが12V系なら8.3%になります。12V・24VのDC配線は、電流が小さくても電線を太くしないと成立しないのはこのためで、 LEDテープの端が暗くなる、電磁弁が動かない、といった症状の多くはここに原因があります。

計算例

例1:DC12V・5A・片道10m・2sq(銅)
導体抵抗は 0.0172×10÷2 = 0.086Ω。往復2本なので電圧降下は 2×5×0.086 = 0.86V。 降下率は 0.86÷12 = 7.2%で、末端は11.1Vまで落ちます。2%以内に抑えるには断面積を約3.6倍、 つまり8sq相当まで太くする必要があります。

例2:単相100V・15A・片道30m・5.5sq(銅)
導体抵抗は 0.0172×30÷5.5 ≒ 0.094Ω。電圧降下は 2×15×0.094 ≒ 2.8V、降下率2.8%。 同じ条件を200Vにすると、同じ電力なら電流が半分になるため降下も半分、降下率は電圧が2倍なのでさらに半分、 結果として降下率は約1/4になります。長距離配線で200V系が有利なのはこの効き方によります。

電圧降下を減らす手段

  • 電線を太くする:降下は断面積にほぼ反比例。もっとも直接的ですが材料費と施工性の負担が大きくなります
  • 距離を短くする:分電盤や電源の位置を負荷側に寄せる。降下は長さに比例します
  • 電圧を上げる:同じ電力なら電流が下がり、降下率は電圧の2乗で効いて小さくなります
  • 末端で分けずに途中給電にする:LEDテープなどは両端給電・中間給電にすると片道長さが半分になります

よくある質問

長さは往復と片道のどちらを入れますか?
片道です。DCと単相2線は内部で往復2本分として計算します。三相3線は線間電圧の降下として√3倍で計算します。ケーブルを引き回した実際の経路長で入力してください。直線距離ではありません。
力率は入れなくてよいのですか?
このツールは低圧・短距離の概算向けに、導体の抵抗成分だけで計算しています。長距離・大電流・モータ負荷ではケーブルのリアクタンスと力率も効いてくるため、詳細設計では力率を含む計算が必要です。
候補サイズをそのまま採用してよいですか?
いいえ。候補サイズは電圧降下の条件だけを満たす最小の断面積です。許容電流、短絡保護協調、周囲温度や束ね配線による低減、施工条件、適用規格を別途確認したうえで決めてください。
電圧降下率は何%以内にすべきですか?
一般的には標準電圧の2%以内を目安とし、こう長が長い場合でも合計3〜6%程度までとする考え方が使われます。ただし12Vや24VのDC系では機器の動作電圧範囲そのものが基準になるため、機器側の仕様を優先してください。
電圧を200Vにすると電圧降下はどのくらい改善しますか?
同じ電力を送る場合、電圧が2倍になると電流は半分になるため電圧降下も半分になり、さらに降下率の分母である電圧が2倍になるので、降下率は約1/4になります。長距離配線で200V系が選ばれる主な理由です。