電圧降下の計算方法|単相・三相の簡略式
電線には抵抗があるので、長く引くほど末端の電圧が下がります。これが電圧降下です。 この記事では配線方式ごとの簡略式、こう長・電流・断面積の入れ方、許容降下率の目安、 実際の計算例、降下が大きいときの対策までをまとめます。許容電流とあわせた太さの決め方も整理します。
1. 配線方式別の簡略式
銅導体の電圧降下は、こう長L(m)・電流I(A)・断面積A(sq)から次の簡略式で求められます(係数が方式で変わります)。
単相2線式:e = 35.6 × L × I ÷ (1000 × A)
三相3線式:e = 30.8 × L × I ÷ (1000 × A)
単相3線・直流3線式:e = 17.8 × L × I ÷ (1000 × A)
e は電圧降下(V)、A は導体断面積(mm²=sq)です。L はこう長(片道の配線長)を入れます。 降下は断面積に反比例するので、太くすればそのぶん下がります。
2. 許容電圧降下率の目安
内線規程では、こう長に応じた許容降下率が示されています(低圧屋内)。代表的な目安は次のとおりです。
| こう長 | 許容電圧降下率の目安 |
|---|---|
| 60m以下 | 標準 2%(条件により3%まで) |
| 120m以下 | 5% 程度まで |
| 200m以下 | 6% 程度まで |
| 200m超 | 7% 程度まで |
※ 値は代表的な目安です。幹線・分岐の合計や設備条件で変わるため、正式には内線規程で確認してください。
3. 計算例
例1:単相100V・20A・こう長30m・5.5sq
e = 35.6 × 30 × 20 ÷ (1000 × 5.5)
= 21360 ÷ 5500 ≒ 3.88V
降下率 = 3.88 ÷ 100 = 3.88% → 60m以下の2%目安を超過
対策:8sq にすると e ≒ 2.67V(2.67%)まで低下
例2:三相200V・30A・こう長50m・14sq
e = 30.8 × 50 × 30 ÷ (1000 × 14)
= 46200 ÷ 14000 ≒ 3.30V
降下率 = 3.30 ÷ 200 = 1.65% → 2%以内でOK
4. 降下が大きいときの対策
- 電線を太くする:もっとも効きます。断面積に反比例するので、1サイズ上げるだけで降下が大きく減ります。
- こう長を短くする:配線ルートを見直し、分電盤や電源を負荷の近くに置けないか検討します。
- 供給電圧を上げる:同じ電力なら電圧が高いほど電流が減り、降下率も下がります(100V→200V化など)。
- 許容電流と両にらみ:太さは許容電流と電圧降下の厳しいほうで決まります。電線の許容電流もあわせて確認します。
電圧・電流・こう長・sqを入れるだけで、電圧降下・降下率・末端電圧・候補sqまで自動計算できます。
電圧降下計算機を開く(無料)よくある質問
Q. 電圧降下はどうやって計算しますか?
A. 銅導体の簡略式を使います。単相2線式なら e = 35.6 × L × I ÷ (1000 × A)。L はこう長(m)、I は電流(A)、A は導体断面積(sq=mm²)です。三相3線式は係数が30.8、単相3線・直流3線式は17.8になります。
Q. 許容できる電圧降下はどのくらいですか?
A. 内線規程では、こう長60m以下の低圧屋内配線で、幹線・分岐を合わせて標準2%以内(条件により3〜5%まで緩和)が目安とされています。長いこう長や精密機器では、より厳しく見ます。
Q. 電圧降下が大きいときの対策は?
A. ①電線を太くする(断面積に反比例して降下が減る)、②こう長を短くする、③供給電圧を上げる、の3つが基本です。もっとも効くのは電線を太くすることです。
Q. 許容電流を満たしていれば電圧降下は気にしなくていい?
A. いいえ。短い配線は許容電流で決まりますが、長い配線では電圧降下のほうが厳しくなります。許容電流OKでも電圧降下が規定を超えると、1〜2サイズ太い電線が必要になります。両方で確認します。
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