板金の曲げ控除・曲げ許容値の計算|K係数と展開長の求め方
板金を曲げると外側は伸び、内側は縮みます。図面の外寸をそのまま足してブランク寸法にすると長くなりやすいため、 曲げ許容値(BA)や曲げ控除(BD)で補正します。この記事ではK係数、外側セットバック、外寸指定と内側直線指定の違いを整理します。
1. 曲げ許容値(BA)と曲げ控除(BD)の違い
BAは曲げ部分そのものの展開長です。内側の直線部が分かっているときは、直線部の合計にBAを足します。 BDは外寸A+Bから引く補正値です。外形寸法で指示されたL曲げの展開長を出すときに使います。
BA = θ × π / 180 × (内R + K × 板厚)
OSSB = (内R + 板厚) × tan(θ / 2)
BD = 2 × OSSB - BA
外寸指定の展開長 = 外寸A + 外寸B - BD
内側直線指定の展開長 = 直線A + 直線B + BA
2. K係数の目安
K係数は、板厚の中で中立軸がどの位置にあるかを表します。0.5なら板厚中央、0.33なら内側寄りです。 実際の値は材質、板厚、内R、V幅、曲げ方式で変わります。
| 材質・条件 | K係数の初期値 | 補足 |
|---|---|---|
| 鉄・SS400のエア曲げ | 0.33 | まず試す初期値 |
| ステンレス | 0.38 | スプリングバックを見て補正 |
| アルミ | 0.40 | 材質やRで変わりやすい |
| 大きい内R | 0.40前後 | 中立軸が中央寄りになりやすい |
社内で同じ板厚・材質・金型を繰り返すなら、試し曲げの実測値からK係数や曲げ控除を決めておくと安定します。
3. 90度曲げの計算例
例:板厚2.3mm、内R2.0mm、K=0.33、90度曲げ
BA = 90×π/180×(2.0 + 0.33×2.3)
BA ≒ 1.5708×2.759 = 4.33mm
OSSB = (2.0 + 2.3)×tan(45度) = 4.30mm
BD = 2×4.30 - 4.33 = 4.27mm
外寸A=50mm、外寸B=40mmなら、展開長は50+40-4.27=85.73mmです。 内側直線部で指定されている場合は、直線A+直線B+BAで考えます。
4. 現場でズレる理由
- 実際の内R:図面値と実加工のRが違うと、BAもBDも変わります。
- スプリングバック:ステンレスや高張力材は戻りが大きく、角度補正が必要です。
- 圧延方向:曲げ方向で伸び方や割れやすさが変わることがあります。
- 金型条件:V幅、パンチR、曲げ長さ、プレス能力で結果が変わります。
BA・BD・外寸指定の展開長・内側直線指定の展開長をまとめて計算できます。
板金曲げ展開長を計算するよくある質問
Q. 曲げ許容値(BA)とは何ですか?
A. 曲げ部分の中立軸の長さです。内側直線部を足して展開長を出す場合は、直線部の合計にBAを足します。
Q. 曲げ控除(BD)とは何ですか?
A. 外寸A+Bから展開長を出すときに引く値です。外形寸法をそのまま足すと長くなるため、BDを引いて補正します。
Q. K係数はいくつにすればよいですか?
A. 鉄のエア曲げなら0.33前後を初期値にし、ステンレスやアルミは0.38から0.40前後を目安にします。最終的には試し曲げの実測値で補正します。
Q. 外寸指定と内寸指定で計算は変わりますか?
A. 変わります。外寸指定はA+BからBDを引き、内側直線指定は直線部にBAを足します。図面の寸法線がどこを指しているか確認してください。
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